コロニアル屋根材とは?コロニアルの種類や修理方法を徹底解説!
近年、もっともポピュラーな屋根材である薄型化粧スレート「コロニアル」。
今回は、屋根工事のプロである私がさまざまな薄型化粧スレートの種類やコロニアル屋根の仕組み、症状別の修理方法などを徹底解説いたします!
「屋根材としてコロニアルを選択しようか迷っている、でも、コロニアルって実際どうなの?」
「屋根材にコロニアルを施工した場合、どんなメンテナンスが必要になるの?症状別の修理方法は?」
上記のようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ、今回の記事をご参考にされてくださいね!
屋根材「コロニアル」とは?
近年、もっともポピュラーな屋根材、薄型化粧スレート「コロニアル」。
コロニアルは、セメントが主成分の厚み4.5mm~6mmの屋根材です。
コロニアルは比較的安価な価格設定のため、屋根材としてもっとも多く採用される機会の多い屋根材です。
コロニアルは比較的安価な価格設定のため、屋根材としてもっとも多く採用される機会の多い屋根材です。
コロニアルの正式名称は「薄型化粧スレート」
コロニアルは「カラーベスト」「スレート」などとも呼ばれますが、正式名称は「薄型化粧スレート」です。
「コロニアル」は、クボタ松下電工(現:ケイミュー)が発売した薄型化粧スレートの商品名になります。
コロニアルの重量は、なんと瓦屋根の3分の1。そのため、発売当初に一気に普及した屋根材です。
薄型化粧スレートが「コロニアル」「カラーベスト」と呼ばれる理由
当初、コロニアルはセメントの強度を高めるため、アスベストを使っていましたが、2004年にアスベストの使用・製造が禁止されました。
これより、松下電工が新たにアスベストを使用しない「カラーベスト」という商品を発売したのです。
これより、松下電工が新たにアスベストを使用しない「カラーベスト」という商品を発売したのです。
「コロニアル」「カラーベスト」はどちらも商品名なのですね。
それだけコロニアルとカラーベストという2つの屋根材の人気が高かったため、薄型化粧スレートの屋根材を総称して「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ぶようになりました。
もちろん商品としてはコロニアル、カラーベスト以外にも数多くの屋根材が存在します。
コロニアル、薄型化粧スレートの種類
【コロニアル】株式会社クボタ ※製造期間:S36年~S61年
こちらは神戸市灘区のお住まいです。言わずと知れた屋根材・コロニアルです!
コロニアルは、薄型化粧スレート屋根材の先駆けで、屋根材一枚当たりの厚みは4.5ミリ。横幅は91cm、長さが41.4cmの屋根材になります。
コロニアルは、薄型化粧スレート屋根材の先駆けで、屋根材一枚当たりの厚みは4.5ミリ。横幅は91cm、長さが41.4cmの屋根材になります。
写真を見ていただくとよくわかりますが、見えている部分は働き長さといい一枚当たり18.2cmしか見えておりません。
残りの23.2cmは重ねて敷きこんでいく仕様です。
コロニアル屋根は屋根材のジョイントが上下の段で必ず交互に来ます。そのため、コロニアル屋根は綺麗な一文字葺きに仕上がります。
こちらのコロニアルは、アスベストを10%~25%含有している石綿スレートの代表的な屋根材です。そのため、耐用年数は長く、築35年前後経っているお住まいでも屋根の機能を保てている状態がよく見受けられます。
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苔の繁殖した薄型化粧スレート屋根は非常に滑りやすい!
これは、コロニアルだけでなく、薄型化粧スレート全体にいえることですが、基材がセメントのため、セメント表面には雨水が多少染み込み、その水分によって苔が繁殖します。
苔が太陽の光で乾かされ、コロニアルの表面は粉が吹いているような状態になります。
コロニアル屋根の表面には足跡がくっきり残っていますね。
このような状態のコロニアル屋根はかなり滑りやすくなっています。
塗膜が劣化し防水性の低下したコロニアル屋根に上がる際には、プロであっても相当な注意が必要です。
塗膜が劣化し防水性の低下したコロニアル屋根に上がる際には、プロであっても相当な注意が必要です。
【フルベスト24】(ナショナル)※製造:S53年~H11年
神戸市北区の屋根調査の写真です。フルベスト24の屋根も比較的多く見受けられます。
こちらのお住まいは一度塗装のメンテナンスを行っています。
このフルベストは現在の薄型化粧スレートとは寸法や形状が全く違うため、ほかの商品で代用が効きません。
厚みは5.5mm 横幅60.6cm働き長さが22.7cmです。
厚みは5.5mm 横幅60.6cm働き長さが22.7cmです。
屋根材のジョイントが3分1ずつズレて葺きあがっているのが特徴です。
同じフルベストでもフルベスト20という商品の場合は、現在のコロニアルと寸法的にほぼ同じなので、代用が効く場合があります。
現在は廃盤になっている屋根材です
現在は廃盤の商品です。
基材にアスベストは5%~15%入っていますが、築20年~25年前後で屋根材の反り上り・固定用の釘穴からの割れによる脱落などが見受けられる屋根材です。関連ページ
「屋根材に廃盤・生産終了品などが使われている場合のメンテナンス方法」はこちら
【レサス】松下電工株式会社 ※製造期間:H11年~H18年
神戸市長田区の調査時の写真です。
このレサスという薄型化粧スレートの屋根材は、見た目と寸法はコロニアルにとても近いです。
コロニアルと異なるのは、屋根材1枚の厚みが5.5mmとコロニアルより1ミリ厚いのが特徴です。
アスベスト規制後の屋根材のため強度に不安がある
このレサスは石綿(アスベスト)規制後の商品のため、アスベストが入っていないのも特徴です。
そのため、厚みを付けて屋根材の強度を高めてはいるのですが、早期の屋根材の割れが多いという特徴もあります。屋根材の割れにより、雨漏りを引き起こすこともあります。
アスベスト規制直後のコロニアル屋根は、屋根材の強度がアスベスト程つけられず、このようなトラブルが多々起こっています。
それだけアスベストは優秀な建材だったのです。
雨水の流れる方向に向かって溝が入っているのもこの屋根材の特徴です。
【ザルフ】株式会社クボタ ※製造期間:H13年~H18年
神戸市東灘区のお住まいの屋根です。
こちらも同様にアスベストが含まれていない薄型化粧スレートの屋根です。
コロニアルと比べると屋根材下端の形状が少し違いますね。横幅・働き長さは同じですが厚みは5mmです。
塗装のメンテナンスを行っており、遮熱塗料のガイナを塗っていました。
ノンアスベストの屋根材は早期のトラブルが懸念されている
築15年ですが、屋根のいたるところにひび割れが見受けられます。
このようにノンアスベストに移り変わった時期のコロニアル屋根材は早期のトラブルが数多く報告されております。
アスベスト含有の屋根材で耐用年数30年前後、ノンアスベスト屋根材は20年前後の耐用年数と考えられます。
【アーバニー】株式会社クボタ ※製造期間:S57~H6年
神戸市灘区でおこなったコロニアル屋根の調査写真です。
1枚のコロニアルの中で雨を受ける部分だけ3分割してある、デザイン性の高い薄型化粧スレートです。
屋根材寸法も横幅60cm働き長さ18.2cm厚みは6mmの屋根材です。
石綿も入っているため、耐用年数は長いのですが、屋根材の形状上、一部破損しやすい屋根材でもあります。
同じ形状の屋根材は廃盤となっているため修繕が難しい
このように分割の切れ込みからひび割れが走り、脱落しやすいという弱点があります。
屋根材を固定する釘穴が見えてしまうため、雨水が入り込む危険があります。
同じ形状はもう販売していないため、修繕が難しい屋根材の一つです。
【コロニアルクァッド】ケイミュー ※コロニアル現行版
コロニアルの現行バージョンが「コロニアルクァッド」です。
屋根材寸法は横幅91cm、働き長さは18.2cmと昔のコロニアルと同じですが、厚みは5.2mmに改良されています。
形状はコロニアルクァッドと同じですが、ワングレード上の「コロニアルグラッサ」という屋根材もあります。コロニアルグラッサは、表面の塗装処理が異なる商品です。
コロニアル屋根材は、幅60cm前後の屋根材は釘2本、90cm前後の屋根材の場合は釘4本で固定します。
コロニアルは軽量で比較的安価な上、耐久性にもすぐれる屋根材です
現在では耐久性もかなり安定してきている印象です。
屋根重要も1㎡で20キロ前後と軽く、価格も安価な屋根材です。
コロニアル屋根、薄型化粧スレート屋根は上記のように商品によって耐用年数が変わっていますが、大体25年前後の耐用年数と設定されています。
コロニアル屋根の構造
コロニアルや薄型化粧スレート屋根は、基材はセメントで成型されています。
そのため、「水を弾く」という能力は見込めません。
防水性を高めるため、コロニアルの表面には塗装が施してあります。この塗膜で撥水性を得ている屋根材です。
そのため、「水を弾く」という能力は見込めません。
防水性を高めるため、コロニアルの表面には塗装が施してあります。この塗膜で撥水性を得ている屋根材です。
コロニアルクァッドは塗膜によって防水性を高めている
コロニアルクァッドはアクリル樹脂の塗膜でコーティングされています。
この塗膜は、新築から10年前後で徐々に劣化し、屋根材表面に水が吸い込まれていくようになるのです。
塗膜が劣化したコロニアル屋根は、屋根面が乾くまでに時間が掛かるようになってきます。
塗膜が劣化したコロニアル屋根は、屋根面が乾くまでに時間が掛かるようになってきます。
塗膜の劣化したコロニアル屋根は苔が繁殖しやすくなる
塗膜が劣化により剥がれることでコロニアル屋根は水分を含みやすくなります。その結果、水を栄養として苔が繁殖するようになるのですね。(上写真)
そして、水分が長く屋根材に停滞することで、既存のセメント(コロニアルの基材)の劣化速度が高まります。
もちろん、屋根自体の美観も損なわれてしまいます。このような状態が長く続くと、屋根材自体が湿潤・乾燥を繰り返し、基材がアルカリ性から酸性に傾いていきスカスカになっていきます。
その過程で、固定されていない屋根材先端の方が反り上がって浮いてくるということです。
屋根材が反り返る前に、屋根塗装によるメンテナンスを行うことで、コロニアル屋根の撥水性を復活させてあげることができます。
早目の塗装メンテナンスがコロニアル屋根を長持ちさせるコツです!
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「屋根や外壁の劣化を促進させる苔・藻・カビの放置は絶対だめ!」はこちら
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反り返ったコロニアル屋根材は雨漏りを引き起こすことも考えられる
コロニアル屋根材の反り上りは強風により煽られやすくなる他、屋根材の隙間が大きくなります。
コロニアル屋根に限らず、屋根の基本構造は屋根の「野地板(のじいた・屋根の地面)」の上に「防水シート(ルーフィング)」を張り、その上にコロニアルや薄型化粧スレート屋根を釘で野地板に固定しています。
吹き降りの雨の場合、反り返ったコロニアル屋根の隙間から雨水が入り込み、防水シートの層まで届いてしまうことがあります。
とはいえ、多少の雨水なら防水シートが浸入を防いでくれるので心配いりません。コロニアル屋根材の下の隙間から雨水を排出してくれます。
しかし、雨水が入り込む頻度が高くなると安心してはいられません。
コロニアルの下に敷きこんである防水シートが、雨水によって段々と劣化してくるからです。
しかし、雨水が入り込む頻度が高くなると安心してはいられません。
コロニアルの下に敷きこんである防水シートが、雨水によって段々と劣化してくるからです。
そうすると、コロニアルを固定している釘穴廻りの防水シートの穴が広がり、雨漏りに発展する…ということも十分にありえます。
コロニアル屋根が雨漏りする理由
上写真は、施工途中のコロニアル屋根です。
コロニアルの下に入り込んだ雨水は、屋根材の隙間を通りながら下へ下へと落ちていきます。
屋根材の上下の重なりの隙間、屋根材の横のジョイントの隙間からあみだくじ状に広がっていきます。
そのルートと屋根材固定釘の位置が重なってしまうため、防水シートが劣化した段階での大量の長期的な雨水浸入は、雨漏りにつながる恐れがあるのです。
コロニアル屋根でよくあるトラブルTop3とその修理方法
ここからは、コロニアル・薄型化粧スレート屋根でトラブルが出やすい部位のTop3と、その修理方法をご紹介いたします。
コロニアル屋根でよくあるトラブルTop1「棟包み板金(棟板金)の飛散」
台風の通過後、コロニアル葺きの屋根のお客様からのお問い合わせでもっとも多いのが「屋根の板金材が飛散してしまった・めくれてしまった」というご相談です!
▲コロニアル屋根の頂上に設置してあるはずの板金材が強風により無くなっています(上写真)
コロニアル屋根や薄型化粧スレート屋根には、屋根の頂点に「棟包み板金(棟板金・むねばんきん)」が取り付けてあります。
コロニアル屋根や薄型化粧スレート屋根には、屋根の頂点に「棟包み板金(棟板金・むねばんきん)」が取り付けてあります。
コロニアルに幅9㎝×高さ1.5cmの貫板(ぬきいた)という木を打ち付け、貫板に対して釘で板金材を取り付けています。
築年数が経過してくると、吹き込んだ雨水によって少しづつ板金内部の貫板が劣化により痩せてきて、釘の固定力が弱まり、強風でコロニアル屋根の頂上に取り付けてある棟板金が飛散することがよくあるのです。
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コロニアル屋根の修理方法【棟板金交換工事】
では、実際に弊社がおこなったコロニアル屋根の棟板金交換工事をみてきましょう。
コロニアル屋根の修理step1「既存の板金、下地材の撤去」
コロニアル屋根の棟板金の修理を開始します。
まず、棟板金、下地野貫板を撤去する工程から始まります。
棟板金は釘により固定されているので、釘を撤去していきます。
築30年、コロニアル屋根を守りつつけていた棟板金はさびており、固定用の釘もさびて朽ちる寸前でした。
コロニアル屋根に設置されていた棟板金を撤去した様子です。
下地野貫板もこれだけ水が回っているんですね。
基本的に棟板金の交換の際は、板金を固定する下地も一緒に変えてしまうのがセオリーです。
下地野貫板はコロニアルを貫通して、釘で屋根の野地板に固定されています。
貫板の交換のため、その固定釘を抜いていきます。
コロニアルを割らないよう、慎重に釘を抜きますよ。
コロニアルを割らないよう、慎重に釘を抜きますよ。
棟板金の撤去後の写真です。
コロニアルの色が違う部分までが、既存の板金がかぶさっていた部位です。
コロニアルの色が違う部分までが、既存の板金がかぶさっていた部位です。
コロニアル屋根の修理step2「下地材の搬入」
棟板金を留めつけるための下地貫板です。幅9㎝×高さ1.5cmの3mの杉材です。
これをしっかりコロニアル屋根に取り付けていきます。
コロニアル屋根の修理step3「下地材の固定」
貫板はビスで固定します。大体45cm間隔で屋根面に固定していきます。
長さはコロニアル屋根の形状に合わせて、のこぎりでカットして合わせながら納めていきます。
コロニアル屋根の修理step4「棟板金の取付け」
新しい棟板金をビスで貫板に固定していきます。
棟は1本182cmの板金材をつなげて張り付けていきます。
その時に板金のジョイント部にはシリコンのコーキング材を打ち、次の棟板金を重ねて止水弁を作ります。
これを「捨て打ち」といいます。
コロニアル屋根の修理step5「完了」
棟板金をすべて取り付けて、棟板金交換工事の完成です!
他にも、コロニアル屋根の棟板金交換の施工事例をご紹介いたします。(以下リンクからどうぞ)
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コロニアル屋根でよくあるトラブルTop2「屋根材の割れ、めくれ」
コロニアル、薄型化粧スレートは、劣化によりそり上がると屋根材の隙間に風が入り込み、台風などの強い力がかかった時に割れてめくれてしまいます。
釘穴からクラックがのびてくる場合もあり、コロニアル屋根には割れ、割れに伴う捲れなどがしばしば見受けられます。
コロニアル屋根の修理方法【屋根材の差替え】
コロニアル屋根の修理step1「釘の撤去」
数枚ほどの割れなら部分的に新しいコロニアルを差し替えることも可能です。
コロニアルの場合、表面から見えない部分で釘打ちがされているため、その釘を撤去することからスタートします。
コロニアルの隙間から金きりノコ切りで奥の釘をカットします。
釘が4本切れたら、コロニアルをつかみ、引き出して撤去します。
コロニアル屋根の修理step2「割れた屋根材の撤去」
引き出せたコロニアルです。撤去したコロニアルは廃材として処理します。
コロニアル屋根の修理step3「新しい屋根材を用意」
新しい現行のコロニアルクァッドを差し替えます。
コロニアル屋根の修理step4「コーキング打ち」
撤去したコロニアルの部位に釘の本数と同様に、ポイントでシリコンコーキングを打ちます。
コロニアル屋根の修理step5「差し替え」
差し込む新しいコロニアルクァッドの上にも、シリコンコーキングを4点うちます。
新しい屋根材を滑り込ませて差し込みます。
コロニアル屋根の修理step6「完了」
はみ出したコーキング材を拭いて、コロニアルの差替え工事完了です!
コロニアル屋根でよくあるトラブルTop3「屋根面からの雨漏り」
一見、コロニアル屋根の上から見ると、割れやめくれなどの外的損傷がない場合でも雨漏りが発生するケースがあります。
雨漏りにより室内の天井などに水が染みて、お住まいの劣化を早めてしまうことが多くあります。
コロニアル屋根の表面を見てみましょう。
表面的には何か壊れている部位はありませんが、雨が降ると必ず雨漏りが発生する状態です。
表面的には何か壊れている部位はありませんが、雨が降ると必ず雨漏りが発生する状態です。
長年の雨水浸入により内部の防水シートが劣化し雨漏りを引き起こしている
繰り返すコロニアル屋根の雨漏り…。原因は、屋根材であるコロニアルの重ね部分にありました!
薄型化粧スレートには本来適正な重ね長さがあり、屋根材自体にマークが付けられています。
こちらのコロニアル屋根の場合、本来隠れてなければいけない部位が隠れておらず、下の屋根材の重なりを超えた部分に水が入り込む状態です。
そのため、今迄は防水シートによって雨漏りが防がれている状態だったのが、長年の雨水の流れ込みにより、雨が入り込んで防水シートの劣化が早まり雨漏りを引き起こしてしまっています。
また、吹き降りの雨の時だけ雨漏りが起こるなど、屋根材奥の防水シートが原因で雨漏りを引き起こすことがあります!
コロニアル屋根の修理方法【修理屋根カバー工法】
こちらは神戸市長田区の雨漏りの現場です。
こちらは、コロニアル屋根の中でも冒頭でご紹介した「レサス」を使った屋根になります。
コロニアル屋根の場合、既存の屋根材を撤去せずに、一度だけ屋根材の中でも軽量なガルバリウム鋼板を使った屋根を既存の屋根の上に吹くことが出来ます。
現状の屋根材を撤去して廃材処理する料金がかからないため、比較的安価に屋根を新しくすることが出来る工法です。
しかし、既存の屋根の野地板を新しい屋根の下地として固定するため、下地の強度が新しい屋根を固定する力、重ね葺きに耐えれる強度を保っていることが施工の条件になります。
コロニアル屋根の修理step1「棟板金の撤去」
カバー工事着工です。
コロニアルの頂点についている棟包み板金を取り外します。
棟包みを固定するための下地、貫板が出てきます。
貫板はこれだけ雨水が廻っている状態でした。
先ほどの貫板をすべて取り除き、屋根をフラットな状態に戻します。
コロニアル屋根の修理step2「防水シートを設置」
裏面に接着剤が付いている、片面粘着ルーフィングを張り付けていきます。
コロニアル屋根の修理step3「棟下地の施工」
新しく棟下地を作ります。垂木(たるき)を使い、棟のラインに取り付けていきます。
コロニアル屋根の修理step4「唐草の取付け」
屋根端部には唐草水切りを取り付けていきます。
取付はすべてビスを使い、元々のコロニアルの屋根材を貫通させて屋根の地面に取り付けます。
コロニアル屋根の修理step5「立平を施工」
立平という屋根材を施工していきます。
継ぎ目のない1枚で出来た屋根材を横にジョイントしていく屋根材ですので、雨漏りのリスクがとても低い屋根材です。
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コロニアル屋根の修理step6「貫板を設置」
棟下地の貫板を、垂木の上にビスで固定します。
ビスピッチは45.5cmで固定します。
コロニアル屋根の修理step7「エプロン板金の取付け」
立平は約30cmごとに山がある形状で貫板を取り付けると、屋根材の低い部分に隙間ができるため、
コロニアル屋根の修理step8「雨仕舞(あまじまい)」
棟板金を先ほどの下地に固定して棟仕舞いの完成です。
軒先(屋根先端)部分は、最初に取り付けた唐草水切りに立平を織り込み掴ませて、風の吹き込みを防ぎます。
軒先の山部分の隙間は桟鼻というキャップを取り付けます。
コロニアル屋根の修理step9「完了」
コロニアル屋根改修工事
屋根カバー工法 立平葺きの完成です。
施工事例のご紹介
コロニアル屋根の修理方法【屋根葺き替え工事】
次に、コロニアル屋根の葺き替え(ふきかえ)工事をご紹介します。
カバー工法ができないほど下地が傷んでいる場合、既存の屋根を撤去し下地からしっかりとメンテナンスし葺き替え工事が選択肢としてあげられます。
カバー工法ができないほど下地が傷んでいる場合、既存の屋根を撤去し下地からしっかりとメンテナンスし葺き替え工事が選択肢としてあげられます。
▲こちらのコロニアル
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「屋根葺き替え工事と屋根カバー工法、どちらを選ぶのが正解?」はこちら
屋根を拝見したところ、
土台である野地板の腐食場所が見つかったので、野地板を修繕するため葺き替え工事を行いました。関連ページ
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コロニアル屋根の修理step1「施工前」
弊社が兵庫県芦屋市でおこなったアーバニー屋根の葺き替え工事の様子をご紹介します!
冒頭でご紹介したコロニアルの屋根材の中のひとつがアーバニーです。厚み6mm、幅60cmの屋根材になります。
コロニアル屋根の修理step2「棟板金の撤去」
まずは、既存屋根の解体作業です。屋根構造上、一番上に施工してある棟板金から解体してきます。
棟板金をはずす
↓
棟下地として設置されている貫板を撤去
↓
コロニアルの撤去
コロニアル屋根の修理step3「屋根材の撤去」
こちらのアーバニーはアスベストが入っている屋根材です。
屋根材のアスベストは、レベル3の非飛散物です。材料自体が硬く成型されているものに適用され、普段は飛散のリスクがとても少ないものになります。
破砕や切断等の時に飛散するリスクがあるため、撤去作業中は割らないよう屋根材を取り外していくことが必要です!
コロニアル屋根の修理step4「野地板の調整」
野地板の腐食箇所です。
屋根面から廻った雨水が、野地板を腐食させています。
こういった場所は丸のこでカットして撤去します。
腐食箇所に新しく構造用合板12mmを張り付け、垂木に釘打ちして固定します。
既存の屋根野地板の上に、12mmの構造用合板増し張りして、新しい屋根の下地を新設します。
構造用合板を隙間なく敷き込み、垂木に固定完了です。
綺麗な屋根の地面が完成しましたね!
コロニアル屋根の修理step5「防水シートを敷設」
屋根面に防水シートを敷き込みます。
防水シートは屋根を包み込むように雨水から守ってくれる超重要な建材のひとつです!
防水シートが適切に施工されていれば、屋根材が割れたりめくれたりしても雨漏りすることはありません。
防水シートは屋根を包み込むように雨水から守ってくれる超重要な建材のひとつです!
防水シートが適切に施工されていれば、屋根材が割れたりめくれたりしても雨漏りすることはありません。
コロニアル屋根の修理step6「屋根材を施工」
コロニアル屋根の修理step7「完了」
コロニアル屋根からスーパーガルテクトへの葺き替え工事が完了いたしました!
綺麗に葺きあがっています。コロニアル屋根の雨漏り補修方法は状況によりさまざまです。
ただ、今後もお住まいになることを見据えて、今回ご紹介した屋根カバー工事や葺き替え工事をご選択なさるお客様が多いです。
特に、葺き替え工事は屋根を完全に納めることができる工事ですので、その分費用は掛かります。ただ、葺き替え工事は屋根の心配事をすべて解消する工事です!
それぞれのコロニアル屋根に適した解決策を見極めるためには、プロによる点検作業が必要になります。
関連ページ
「この見積もり大丈夫?見積り項目徹底解説」はこちら
「季節別・築年数別知っておくべき住まいのメンテナンスサイクル完全版」はこちら
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コロニアル(薄型化粧スレート)のメンテナンス方法
コロニアル屋根を長持ちさせるために欠かせないのが塗装によるメンテナンスです。
ここからは、弊社が神戸市でおこなったコロニアル屋根の塗装工事をご紹介します!
ここからは、弊社が神戸市でおこなったコロニアル屋根の塗装工事をご紹介します!
コロニアル屋根のメンテナンスstep1「足場の設置」
神戸市長田区、コロニアル屋根の写真です。
コロニアル屋根、薄型化粧スレートは、新品時は屋根材表面に塗装が施されており水を弾く力を得ています。
ところが、コロニアル屋根の施工から約10年~15年で水を弾く効果のある塗膜は紫外線により徐々に劣化します。これにより低下するのが屋根表面の防水性です。
コロニアル屋根を長持ちさせるためには早目の塗装メンテナンスが必要!
水を弾く機能が失われたコロニアル屋根は、屋根材表面に水が染み込む状態になってしまいます。
ただ、コロニアル表面の防水性が低下したからといって、すぐに雨漏りするというわけではありません。
とはいえ、湿った状態が長く続くことで、コロニアル屋根材自体の劣化速度が早まります。
とはいえ、湿った状態が長く続くことで、コロニアル屋根材自体の劣化速度が早まります。
また、湿潤・乾燥を繰り替えすことで屋根材の反り上りが発生したり、苔の繁殖が起こり生地のセメントが割れやすくなってしまったり、トラブルは起こりやすくなります。
そうなる前に塗装メンテナンスすることで、コロニアル屋根の美観の回復だけでなく、撥水性を取り戻すことができるのですね。
コロニアル屋根を長持ちさせるためには、12~13年ほどのサイクルでのメンテナンスが望ましいです。
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コロニアル屋根のメンテナンスstep2「高圧洗浄」
コロニアル屋根に限らず、塗装工事全般にいえることですが、まずは洗浄の作業からスタートします!
コロニアルや薄型化粧スレートの表面に堆積した埃、苔、黒カビなどを高圧洗浄し、吹き飛ばしてあげる必要があるのです。
コロニアル屋根面の洗浄が不十分だと、ゴミの上に新しい塗料が塗られることになるので、塗膜の早期剥離につながります。
まずは清掃!塗装工事の基本です。
写真手前側が洗い済みのコロニアル屋根面です。
奥の屋根と比べて、汚れが取れて綺麗になっていることがお分かりいただけると思います!
コロニアル屋根のメンテナンスstep3「乾燥」
コロニアル屋根の全面を洗い上げ、ここから丸一日乾かします。
コロニアルの素地が見えている状態で、白いセメントの色が出てきているのが分かりますね。
コロニアル屋根のメンテナンスstep4「鉄部のさび止め塗布」
薄型化粧スレートの屋根には鉄材の部位もあります。
材料に適した下塗り材を選ぶことで、それぞれの部材への塗料の密着力を高めるのです!
鉄部にはエポキシ樹脂製のサビ止めを塗布します。
コロニアル屋根のメンテナンスstep5「下塗り」
コロニアル部分には「シーラー」という下地調整材を塗布します。下塗り剤にはこれから塗布する上塗り材の屋根材への吸い込みを抑える役割があります。
コロニアル屋根のメンテナンスstep6「上塗り(1回目)」
いよいよ、上塗り1回目に入ります!
コロニアル屋根のメンテナンスstep7「上塗り(2回目)」
上塗り1回目が乾いたら、同じ材料をもう一度塗布します。
コロニアル屋根の塗装は、下塗りから合わせて3回塗りで、仕上げるのが基本です。
塗り上がった塗料で屋根材の隙間がふさがらないよう、カッターですべての屋根材の隙間の縁を切っていきます。
これを「縁切り」といいます!
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コロニアル屋根のメンテナンスstep8「完了」
コロニアル屋根の塗装メンテナンスが完了です!ビフォーアフターでご覧ください。
築25年のコロニアル屋根。塗装前は表面の塗膜劣化により、湿った状態が続いていました。
コロニアル屋根の塗装メンテナンスが完了です!
低下していた屋根の撥水性が復活いたしました。
メンテナンス後のコロニアル屋根は、塗料も綺麗に発色していますね!これは、丁寧な洗浄作業と下地処理の賜物です(^^)
しっかりとした塗膜が形成されていることの裏付けといえます!
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屋根材によっては塗装が難しいものもあります!
ただ、薄型化粧スレートの中で一部、アスベスト規制直後の屋根材は、塗装のメンテナンスが出来ないものもあります。
まとめ
コロニアル屋根材は安価で見た目もよく、屋根材の軽さは中間ぐらいの商品です。選択される方も多い、大変人気の屋根材です。
ただし、コロニアルは薄いセメントでできた板状の屋根材のため、耐用年数はやや短い部類の屋根材にはなります。
適切なタイミングで適切なメンテナンスを続けていくことが、コロニアル屋根を長持ちさせるコツです!
コロニアル屋根のメンテナンス方法は、弊社屋根調査スタッフが実際に屋根に上り、診断結果により最適な施工方法ご提案いたします!
コロニアル屋根が気になる方は、無料屋根調査を一度ご利用してみてください!
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コロニアル屋根とは?コロニアルの種類や修理方法
- コロニアル屋根はセメントが基材の板状の屋根材である
- コロニアル屋根の正式名称は「薄型化粧スレート」である
- コロニアル屋根(薄型化粧スレート)には「カラーベスト」「フルベスト24」「レサス」「ザルフ」「アーバニー」などがある
- コロニアル屋根でよくあるトラブル3つは「棟板金の飛散」「屋根材の割れ」「屋根面からの雨漏り」である
- コロニアル屋根の修理方法には「板金交換」「屋根材の差し替え(部分交換)」「カバー工法」「葺き替え」などがある
- コロニアル屋根を長持ちさせるためには定期的な塗装メンテナンスが必要である
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