雨漏り個所を確認。

かなり大きな雨染みが確認できました。
以前から家屋に雨が侵入していたことを物語っています。

部屋の中に雨が侵入していることは確認できましたので、
屋根に上り調査を開始します。

お客さんの家屋の屋根は、
とても長い間屋根を守りつつけてきてくれた、
いぶし瓦で葺かれた屋根でした。

屋根に上り一番最初に目に入ったのが
この棟の歪みです。
棟が蛇行しています。
棟の中に水が入り込んでいる可能性が高いです。

その理由として、
棟は、写真のような四角い瓦を
棟の土台となる粘土にいくつも積み合わせて
形作っているものなのです。
施工当初は、真っすぐに施工されています。
しかし、四角い瓦の切れ目などから、
吹き込みなどにより、
中の土が少しですが濡れてしまう事があり、
濡れたり乾いたりを繰り返すうちに、
土台の土が少しづつ崩れることがあります。

そうすると棟の形が崩れ、
熨斗瓦が写真のように飛び出してきたリします。

そして、棟の中に入った水が土を押し出し、
棟の下にある漆喰を押し出してしまいます。

棟の中の土を雨から守るのが漆喰の役目なのですが、
内側から入り込まれたら漆喰ではどうしようもできません。

そして隙間から水が入りやすくなり、
また土を濡らしてと、
棟の崩れるスピードが上がっていきます。

屋根の一番高いところを止めている棟が緩くなってくると、
その下の瓦も少しづつズレ始めます。

頂点の固定力が弱まることも原因ですが、
棟から入った水が
地瓦の土台の土を濡らすと、その土も崩れてくるためです。

そうして瓦の隙間が多くなり、
雨から屋根を守ってくれる瓦に隙間がどんどん生まれてきます。

その隙間に入り込んだ雨は、
本当は瓦の上を滑り、屋根の外に逃げたいのに
室内に落ちるしかなくなってしまうのです。